セルゲイ・ラフマニノフ RCA<24> SS☆まぁすごい録音を残してくれたものだ。このせいで何人のピアニストの録音が埋もれるか数知れない…それほど圧倒的である。そんな罪なピアニストの代表であるホロヴィッツでさえこの録音に関して「テンポが速過ぎる」と言っており、同時代のピアニストからはかなり非難された演奏でもある。しかし何と音楽的…リズムなどに若干の違和感を感じるものの、テクニック的なレベルも尋常ではないし、解釈が間違っていようが正しかろうがこれはこれで彼にしかできない演奏だ。好みは極端に分かれるだろうが、絶対に避けて通れない録音である。
ヴラディミール・ホロヴィッツ RCA<57> SS
ホロヴィッツが創り出すこの曲の陰影はとても見事で、さらに同じパッセージでも全て表現を変えて聴き手を惹きつけてくる。ただショパンとしては少しばかり違和感を感じるので、やはり1番などと比べてこちらは一回しか録音していないのも納得がいく。6連符の細かい音型でたまにペダルを外してくるあたり、かなり心憎い。
クラウディオ・アラウ Pearl<39> S+
アラウは後にフィリップスにもスケルツォを録音しているが、断然こちらの方が良い。音にかなり厚みがあり、音楽的にも技術的にも完成されている。特に途中のホ短調に転調したレント部分の美しさは比類が無い。
ホルヘ・ボレット Marston<73> S+
やはり70年代のボレットのライブは凄い!このスケルツォもテンポは遅いがディナーミクは結構独特で、解釈にも確固たるものを感じる。後半の甘さを感じさせないヴィルトゥオジティ溢れるピアニズムもさすが!
サンソン・フランソワ EMI<55> S+
聴きばえのする優秀な演奏だ。そこまでバリバリとは弾いてないがヴィルトゥオーゾ的な演奏だ。流れも非常に良く、彼独特の響きも充分堪能できる。
イーヴォ・ポゴレリッチ DG<81>S+
ある程度個性的とはいえプレトニョフなどとは全く対称的な表現だ。この曲で一番目立つオクターブの弾き方も非常に引き締まっている。95年録音盤よりもやはりこっちが良い。
ミッシャ・レヴィツキ NAXOS<29> S☆
無駄なルバートを一切排除した演奏なのでこういうスタイルを好まない方もいるだろうけど、その要素にとどまらない音楽的な解釈が魅力的。つまりサラッと弾いてるようでかなり高度な事をしており、推進力もずば抜けている。19世紀の演奏スタイルにかなり近いと思わせる演奏だ。
ミハイル・プレトニョフ <00> S☆
完全にプレトニョフの手によってコントロールされたスケルツォで、冷静さを常に効かせ自身の表現をここまでおりこめる彼はやはり凄い。たまに効かせてくるバスの響きはかなり現代的。しかしスケルツォ全曲やっている中の一つなのでクライマックスはまだ控え目である。
シモン・バレール PL<35> S☆
冒頭からかなりルバートをかけてとても臨場感がある。彼にしては珍しくテンポもそんなに速くなく、最後まで意外と冷静な演奏で逆に驚く。まぁ所々暴走魂が見えなくもないが…笑。
アルトゥール・ルービンシュタイン RCA<59> S
年をとってからの録音とはいえ、まだ充分豪快さの残る演奏だ。わりと大掴みにも聞こえるが、もちろん抑えどころはかなり聴かせてくる。34年盤の豪快さも捨てがたいが曲的にはこちらの方がふさわしいと思う。
マルタ・アルゲリッチ DG<60> S
ショパンコンクールの少し後の、結構初期の録音だけあって、若さみなぎるメリハリの効いた演奏だ。まぁテンポはかなり速い方だが、この表現であれば爽快に聞こえる。ちなみにYouTubeで当時の映像が見られるのは大変貴重である。しかしこの録音よりは少し控え目ではあるが。
シプリアン・カツァリス TELDEC<84> S
これはまだなかなかいける。そこまで特徴があるわけではないが、わりと真摯に弾いておりたまに見せる鋭い表現が光る優秀な演奏だ。
マウリツィオ・ポリーニ DG<90> A+
充分上手いし表現も熟してきているのは分かるが、やはり70年代の録音に比べると…他にもっと良い録音が多いのであえて聴く必要性は感じない。
アレクセイ・スルタノフ TELDEC<91> A+
彼にしてはまだ抑制している方の録音で、若干物足りなさが残る。もっと力技でスカッと決めてほしかった。
Piano de Virtuoso


