Scherzo  No.2
 A・ベネデッティ・ミケランジェリ AURA<41>SS
 
冒頭から輝いた音でテンポの伸縮を巧みに、解釈的に大掴みな部分を見せながらも細部はかなり磨きがかかっている。中間部のゆっくりなテンポでの歌い回しなどかなり印象的。作曲家の意図する解釈からは遠いかもしれないが、これはこれで完成した形である。You tubeの映像はもう少し後のもので、この録音に比べるとおとなしいが彼がこの時代に弾いている姿を見られるのは本当に幸せである。

イヴァン・モラヴェッツ PHILIPS<89> S+
 冒頭ですでに完成されたものが見え、相当の名演であることが分かる。テンポの伸縮が結構激しいがアルゲリッチのような直情的な表現ではなく、スタイルをよく理解した読みの深い表現と磨き抜かれた音の構築で聴き手を確実に掴んでくる。

ヴラディーミル・アシュケナージ LO<67>S+
 テンポはそんなに速くないが、やはり並でないのは瑞々しさ溢れるタッチと全体の緊迫感である。再録音もあるがそちらの方は随分落ち着いてしまっていて今一つ魅力に欠ける。

サンソン・フランソワ EMI<55> S☆
 冒頭からテンポがかなり遅くスケルツォの意には反していると思うが、何か只者でない雰囲気が漂っており、再現部直前のBAFのユニゾンなどちょっとゾクッとさせられる。右手の旋律もたっぷり歌うというよりも、彼の歌い回しによるルバートといった感じだ。中間部の処理もなかなか秀逸で、左手のDAFisの和音の部分などタイでつながっているDをもう一度弾き、減衰によって和声感が損なわれる部分を救ったり、タッチのコントラストを強調したりとなかなか聴かせてくれる。

ミハイル・プレトニョフ DG<00> S☆
 カーネギーのライブでかなり創意に満ちた演奏。彼自身の美学で貫かれていて、部分的に結構大胆な弾き方をしている部分も多い。旋律の美しさや同じパッセージでの処理の変更なども素晴らしい。

ヴラディミール・ホロヴィッツ RCA<57>S☆
 他の3曲と違って、この2番だけなぜかホロヴィッツのカラーが曲にマッチしない気がして聴く度に違和感を感じる。極力少なめのペダルで音を浮きだし、旋律美の部分も独特の強調の仕方でもちろんかなり惹き付けてはくるのだが…。

ベンノ・モイセイヴィッチ EMI<58>
 第2主題のリズムがちょっと変わっていて、もしかして版の違いかとも思うが、非常に優雅だ。中間部のクライマックスの辺りで結構低音を足したりしているのはほんの一例として、時折見せるセンスのある処理に驚かされる。

ホルヘ・ボレット Marston<78>
 ライブ録音なので少し粗も見えるものの、第2主題や中間部などはやはり美しいし最後のたたみかけもヴィルトゥオーゾの貫禄を感じさせる。

ジョルジュ・シフラ EMI<81-82>
 シフラのショパンはわりとノッてるのとそうでないのにはっきりと分かれるが、これは珍しくそこそこノッている録音だ。所々シフラ節でこねくりまわしたり、ドカンとやってくれるがやはり正規録音ということであまり派手さはない。しかしタッチはかなり明晰で揺るぎが無く芯のある良い音を鳴らしているのはさすが。スケルツォはもちろんいくつも録音があるし、DVDでも出ているのでまずはそっちを見るべきだろう。しかし2番しか録音していないのは残念だ。

マルタ・アルゲリッチ DG<74>
 彼女にとってはソナタなどよりスケルツォやプレリュードの方が嫌味なくテクニックを発揮できてるように思う。この2番も各部分のテンポ設定が個性的で、中間部の右手のパッセージが細かくなるところなど確実に速すぎるが、その後も見事に猛進しており、迫力よりも爽快感といった感じの演奏だ。





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