Waltz

 イグナッツ・フリードマン(抜粋)  EMI<23,26>
 3番と6番の抜粋であるが、3番は左手のメロディーを最も高雅で感傷的に(←ラヴェルのぱくり)歌った演奏と言えるもので、なかなか聴けるものではない。一方の6番小犬はもはや「フリードマン編」といえそうな演奏で自由奔放の極地だ。


セルゲイ・ラフマニノフ(抜粋)  BMG<27> 

なんと素晴らしい演奏だろう!7番と8番の抜粋だが、まぁ全く文句のつけようがなく聴いていて思わずうっとりしてしまう。7番の元祖内声、8番コーダ部分の洒落た表情など耳を奪われる。やはり彼は偉大!


イグナチ・ヤン・パデレフスキ(抜粋)  BMG<28,12,22>
 パデレフスキは現在ショパンの楽譜の校訂でのみ有名であるが、大統領になったほどの国民的なピアニストであった。彼の演奏は校訂した楽譜からうかがえるようなものではなく、昔のピアニスト特有の持ち味といったところでこのワルツの録音もなかなかユニークなものである。1番、2番、5番の抜粋で演奏もさぞ当時の大衆にウケたであろう華麗なものである。


 ヴラディーミル・ソフロニツキー Melo<60>

9,12,13番の抜粋。独特のタッチで弾かれたもので、ショパンの解釈としてひと味もふた味も深い演奏である。こんなに魅力的な12番のワルツもなかなか無い。


ウィルヘルム・バックハウス
(2番のみ)ARP<50>
 バックハウスは50年代になってもまだちらほらライブなどでショパンを弾いていたようだ。でもワルツはなかなか弾いてないので貴重な録音だ。しかも肝心の演奏も非常に良く、ワルツのリズムはわりとストレートだけど随所でキラリと光らせてくる。例えば13連符など全て表情を変えたりと、パデレフスキを彷彿させるような小技も効かせている。
(1番と6番)EMI<28,25>
 1番のワルツはなかなか端正な演奏ではあるが、力強くメリハリがあってとても自然である。変ト長調に若干転調するゆるやかな部分がとても美しい。一方、小犬はものすごい余裕ぶりでさすが技巧家であった彼らしい表現で、玉を転がすような軽やかさだ。
(6番)BIDDULPH<16>
 なんとバックハウス30才の録音でとにかく若い!この小犬は演奏としては少しのっそりしてるので後のEMI録音の方が良いのだが、聴くところはそこではなく最後終わる際に和音をもう一回短調で弾いてそのまま10-2のエチュードを弾き始めるところである。これは自由な即興を挟み別の曲に移行する古き良き時代の一つの慣習でありとても興味深い。


ヴラディミール・ド・パハマン(6,7番)  APR<1907>
  今から百年も前の演奏。小犬は途中にちょっとしたパッセージを挟んだり回数が多かったり、とまぁこの時代のピアニストには珍しくないサービス旺盛な演奏だが、こういう小品こそパハマンの得意としたところでもある。7番は途中長調になる中間部のどっぷりルバート、最後のリタルダンドが聴きもの。


アレクサンドル・ミハウォフスキ(6,7番) APR<1905,12>
  これもパハマンと同じく百年前の録音だがパハマンをさらに自由にした感がある。選曲まで同じだが小犬の方は自編であり、中間部でメロディーの自然な絡みをみせたりコーダまでついておりとても爽快だ。2つ録音が入っており基本的に変わらないものの、短い方の録音では中間部を若干省略している。そして7番がまた素晴らしい!とても即興的に音を少し変えたりしているが、この録音は楽譜の捉え方を見事に伝えている。12年録音の方はまた繰り返す場所や曲の中の構成まで変えているが、少しも不自然さはなくまるで今その音楽が生まれたかのようにも聞こえる。


アルフレッド・グリュンフェルド(3番,7番,14番)  OPAL<1907,11,12>
  グリュンフェルドはシュトラウスの編曲で若干知られているが、パハマンなどと同じレコードの一番初期のピアニストで、彼が録音を積極的に残してくれたことは、我々にとってとても幸せな事である。彼はウインナーワルツをシュトラウス自身に褒められるぐらい誰よりも上手く弾いた。ショパンのワルツはもちろんシュトラウスとは異質のものだが、やはりリズムの点で彼独自のワルツの世界を作りあげており、それが一番よく分かるのが7番だ。彼は決して弾きとばさず、情緒あふれる演奏をたっぷり聴かせてくれている。


レオポルド・ゴドフスキー
(1,5,7番)PianoLibrary<22,16,28>
 やはりゴドフスキーは只者ではない!録音でも実演でも本領を発揮してないというが、これでもし50%程度だったとしたら末恐ろしい!1番はそこまで華やかではないものの、ワルツとはどういうものなのかを教えてくれるような演奏だ。5番は実にユニークで彼独自のタメや随所でのルバートなどとても効果的、若干音を足しているのも心憎い。7番は内声をだいぶ強調しているが、ラフマニノフやカツァリスとは趣が異なるもので、響きの中での内声の歌い方がとても美しい。こうして聴いていると彼はワルツなどの小品では録音ではある程度力を発揮していたのではないかと思う。
(2,5,7番)APR<24,24,13>
 彼はエチュードだけでなくワルツも編曲しているのでもちろんオリジナルなど完全に手中におさめている。2番など同じパッセージが出てきたらニュアンスを変えて、且つ少し手を加え華々しい演奏を繰り広げている。5番と7番はそれぞれ年代が違うが、基本的なスタイルは上記の演奏と全く変わっていない。こんなに参考になる要素が多い演奏なのにもっと今の演奏家はこういうところから学ぶべきである。


ヨーゼフ・ホフマン
(2,5,6番)VAI<45,37,37>
 ホフマンの弾くワルツは、通常の概念では考えられない演奏ばかりだ。2番はわりと晩年の演奏なのでミスもあるが、思うにホフマンの30年代40年代とホロヴィッツの70年代80年代は少し共通する部分を持っているのではないか。まぁそれはまた別の機会に触れるとして、演奏の方は意外と端正で変ニ長調の部分などソプラノとバリトンの美しい二重唱のようだ。そして最後はフォルテで終らないこれまたセンスの良さ。5番の旋律もなんと息の長いフレーズの歌い方だろう!最後の方の上昇するフレーズで一気にテンポをあげ全体にメリハリをつけて曲をまとめている。ちなみにこの録音での小犬は珍しくほぼオリジナルで弾いている…けどすごい。さすがホフマン!
(1,5,6番)Marston<38,36,36>
 こちらのCDでは1番のワルツが聴けるが、これまた色々工夫が凝らされていてAsの音3つを効果的に残したり他にも随所で目が離せない演奏だ。5番は上記と年代的に近い録音なのに、演奏が全然違う。やはりホフマンはその都度全く変えていたのだ、加速する始まりの場所も違うし内声の強調なども決してかぶらない。小犬は2つ収録されてるが、最初は若干の即興から始まり最後は3度か6度かもはや分からないぐらいのスーパー下降型。後の38年の方は「ホフマン編」と明記してあり、中間部の後から右手が三度になる。三度はもはや小犬ではお決まりだけど、このホフマン編ではただの三声ではなく、下声部の旋律が気持ち悪いほど生き生きと絡みついており、とても面白くて巧妙だ。


ミッシャ・レヴィツキ(7,8,11番) NAXOS<35,28,28>
 レヴィツキには是非ワルツを全部録音してほしかった。残された抜粋の録音からも彼独自のセンスが溢れている。所々で和声を少し付け加えたりするのはもちろんだが、全く嫌味がなく逆に優美である。11番の中間部など夢見心地になってしまい、一瞬ワルツであることを忘れてしまいそうになるほどの美しさ。


ラウル・プーニョ(2番) OPAL
 これもかなり古い録音なのでノイズがひどいが、その奥からは迫力のある演奏が聴こえてくる。基本的には速弾きの部類で現代のショパンの演奏とは全く違うものだ。この時代は様々なスタイルを生み出したピアニストの宝庫だ。


ホルヘ・ボレット(6,14番) Marston<78>
 多分ライブのアンコール。ボレットはワルツをデッカに録音していたがそちらは確かゴドフスキー編だったと思うので、オリジナルの方の録音は結構少ない。しかしこの小犬、なんと素晴らしいタッチだろうか。さらに最後のくくりも非常に洒落ており、14番にも共通する点である。


A・ベネデッティ・ミケランジェリ(9番) aura<41>
 これ1曲聴くだけでも彼がどれだけ凄いピアニストかが分かる。若い時の録音だが、きらめくように研ぎ澄まされたタッチ、かなり個性的なディナーミク、感傷的なルバート、という3拍子が揃ったホロヴィッツと並ぶ程の名演だ。

(3番のみ)<88>AURA
 わりと新しい録音なのにかなり音が悪いということは正規のライブではないのだろうか。しかしこれはホロヴィッツに匹敵するぐらいの美しさだ、音やルバートは全然違うのにどこか病的なところやライブのプログラムでこれとスケルツォ1番を組み合わせるところなど共通していて面白い。

フリードリヒ・グルダ(6,14番) amadeo<61>
 アンコール集に入っている録音だがこのワルツ、かなりのヴィルトゥオーゾぶりがうかがえる演奏で、決してグルダはそこを強調しようとはしないのだが聴いている方はほれぼれしてしまう。グルダはピアノにかなりマイクを近づけるので14番のコーダなど息遣いまで聴こえてきて、かなりせきこむ感じで迫力満点。


モーリッツ・ローゼンタール(5,7番)apr<34,36>
 5番はホフマン程の毒はないが、磨かれたタッチがとても良く、最後のページで少し遊んでいる部分があるが少しも違和感がない。7番はわりとペダルたっぷりで、乾いた音との対比を少し強調したレアな演奏。


ヴラディミール・ホロヴィッツ
(3,7番)RCA<45,46>                               ホロヴィッツが残したショパンの作品は数多くホロヴィッツの名演も多いが、彼の気質に一番合っているのはこの3番ワルツではないだろうか。今でもこの録音を聴くと涙が流れそうになる。美しく哀しい音で、彼の心の内まで聞こえてきそうだ。

(9番のみ)<81>
 独特のためやルバートがもう素晴らしいとしか言い様がない。これはメトロポリタンでのライブであるが、「ホロヴィッツ・イン・ロンドン」でもこのワルツを弾いている。このライブでは後に弾くラフマニノフのソナタとの対比まで計算されていて、ワルツの最後の美しい和音の後にラフマニノフの最初のB音を聴いたときは衝撃が走った!これこそがまさにヴィルトゥオーゾと言えよう。

(3,7番)sony<71,68>
 RCAと同じ選曲だが演奏は全然違う。ホロヴィッツが復活した後の録音で、40年代のような病的さは少ないように感じる。演奏内容は味わい深いが深い感動とまではいかない。しかし、タッチは独特だし7番の中間部などかなり美しくライブで聴けた人はなんと幸せなのだろう。

(3番のみ)RCA<75>
  カーネギーのライブでとてもゆっくりなテンポで弾いているが、このテンポでこれだけの集中力が保たれているのはやはりすごい。そしてどの盤にも共通することだが、このワルツの最後ホ長調に転調する部分においてホロヴィッツより美しく弾ける者などいるのだろうか。


エヴァ・ポブウォッカ(1,6,7,9番) victor<02>
 結構最近の録音なので響きもふくよかだが、1番など録音的に少し響き過ぎのような気もする。演奏はもちろん一流のものだが、残念ながらこれと言った特徴は感じられない。\
ホルヘ・ボレット(ゴドフスキー編、1・6・7・8・9・12・13番) LONDON<77>
 ゴドフスキー編も今ではエチュードなどだいぶ弾く人が多くなってきたが、ワルツの方は素晴らしい編曲にもかかわらず、なかなか録音が少ない。このボレットの録音はもちろん素晴らしく、ゴドフスキー特有の洒落た和声や対旋律、多声的な処理を見事に表現している。1番の演奏会用ワルツパラフレーズが聴けるのも貴重。
ホームページ制作、ホームページ作成歯医者SEOインプラントインプラント