ジョルジ・シフラ(1921-1994)
(シフラ+ホロヴィッツ)÷2=リスト?
ジプシーの血を引くといわれるシフラは恐るべきヴィルトゥオーゾであり、一世を風靡した超絶技巧は他に例がないものだったが、派手な技巧とは裏腹に彼の人生は悲劇的であった。戦争の被害にあったピアニストはたくさんいるが、彼は思想犯として投獄されたり、ハンガリー動乱では西側に亡命するために困難な旅をするなど尋常ではない体験ばかりしている。そんな彼が弾くリストのラプソディーのラッサンは、時に心の嘆きのように聞こえることさえある。
彼自身は「リスト弾き」というレッテルを貼られるのをとても嫌がったが、リストを弾いている時が一番生き生きしているし、あの「半音階ギャロップ」を弾いてる姿を見ればみんなそう言うに決まっている。昔シフラ編曲の有名な熊蜂の飛行の映像を見せてもらった事があったが、どうみてもピアノに北斗百烈拳!?をかましているようにしか見えなかった…笑。彼の跳躍のテクニック(特に左手)は驚異であり先ほど述べた「半音階」はもちろん、「トリッチトラッチポルカ」の最後の跳躍など人間には不可能としか思えない。彼が言うには「何十\年先には、私の曲もショパン・エチュードのように誰でも弾くような時代が来る。」とゴドフスキーばりに未来予想しているが果たして…。しかし実際そのテクニックが目立ち過ぎたとはいえ、実演ではモーツァルトを端正に美しく弾いたという逸話も残っており、そういった面があまり知られていないのがとても残念である。
Piano de Virtuoso




