Piano ConcertoNo.1


 マルタ・アルゲリッチ  アバド指揮ロンドンso<68>DG S++
   言わずと知れた名演だがやはり凄い!最初のカデンツの和音連続でまず驚かされる。全体的に彼女の快速なテクニックが満載だが、このCD以上に驚きなのがドホナーニ指揮の81年ライブのLD!冒頭のオクターブの速さが尋常ではなく、見ていると目が飛び出しそうになる必見モノだ。アルゲリッチのリストの録音は数少ないが、やはりどの曲が自分に合っているかを心得ているように思う。
クラウディオ・アラウ ハンス・ロスボード フランクフルトro ARP<35>  S☆
   のっけから迫力満点!アラウがこんなに凄まじい録音を残していたとは…。この録音の前ではバレールなど全くかすんでしまう。トリルとトレモロはとにかく速く圧倒的で、全体のテンポは決して速くないのに終楽章などものすごい勢いで息を呑む暇もない。確実にノックアウトだ!
A・ベネデッティ・ミケランジェリ アンセルメ指揮スイスロマンドo<39>aura S☆
  そうだ、これも爆演だったんだ!最初の数分は録音のミスで残っておらず、若干途中からだがどちらにしても1楽章はまだおとなしい。2楽章はわりと個性が光るが、3楽章がまずフォルテの始まりで少し驚き、切れ味鋭く一気呵成にフィナーレへ向かう。フィナーレは若げのいたりとでも言うベき演奏でヴィルトゥオーゾ・ミケランジェリを堪能できる。最後などオケを無視して縦横無尽に突き進み最後の音の前に観客の大歓声だ。                                                                      ローハン指揮 読売so<65>AURA 
 ミケランジェリが東京でリストを演奏していたとは…なんと当時の日本の聴衆がうらやましいことか。録音自体もなかなか貴重で音質はかなり悪くピアノもキンキンいってるが、演奏は…それはもう。物申すまでもないが、様々な音色の使い分けや驚く程の音の洪水に更に音をつけ加えたりと、リストもびっくりの演奏だ。この演奏を聴くとリストの演奏に一番近いのは、リヒテルでもシフラでもベルマンでも(もちろんホロヴィッツでも)なく、ミケランジェリだと思ってしまう。一見あまり結び付かない気がするが、派手なパフォーマンスなどはさておき彼の70年代までの演奏内容はまさに完全無欠のヴィルトゥオーゾそのものだ。ちなみに髪型もリストに少し似ているので、アゴが出たリヒテルのリストよりは良いと思う。
ジョルジ・シフラ ヴァンデルノート指揮<61>EMI S+
  シフラはコンチェルトを何回も録音しているが、フンガロトンのレヘル指揮はやはりおとなしい方だしこの1番に関してはシフラJrとの録音もあまりぶっ飛んでないので、やはりピアノとオケともにこの盤が一番良いように思う。随所にもちろんシフラ節は出てくるが、まぁしかし控え目な方でライブだったらもっとやっちゃってるだろう。
スビャトスラフ・リヒテル コンドラシン指揮ロンドンso. PH<61> 
  リヒテル壮年期の迫力ある演奏で、特に2楽章の後半の重厚な和音の響きなどにリヒテル特有のたくましさが顕れている。わりと古くからの名盤である。

バイロン・ジャニス  コンドラシン指揮モスクワpo<62>Mercury 
 ジャニスの全盛期の録音でプロコ程の強靱さはないものの、このリストもなかなか良い。わりとバリバリ弾いているけど、速いパッセージの中でもディミヌエンドの巧みさなど細かい所まできっちり押さえており、彼なりのこだわりを随所に感じる。コンドラシンもリヒテル盤より気合が入っているように思う。
ホルヘ・ボレット アーヴィング指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア<60> 
 1楽章からおとなしくあれっ?と思うと2楽章は持ち前の美音をふんだんに繰り出しうっとりさせられる。そして3からいっきに鋭さを増し、切れ味良いテクニックで推進力をつけて突入するフィナーレは抜群!実に考え抜かれている満足度の高い秀演だ。
サンソン・フランソワ シルヴェストリ指揮フィルハーモニアo EMI<60> 
 たまにフランソワは、ファンタジーは溢れるほどあるのにテクニックが弱い、とか好き勝手書かれている事があるが、そんな耳の腐った批評家を吹き飛ばすような演奏がこれだ!そもそも、フランソ\ワのテクニックはポリーニなどとは全く違う質のものであるから、それを機械的な技術に照らし合わせる事自体が誤りである。さて、肝心の演奏であるがショパンほどアクの強さはないものの、ルバートや独自のディナーミク(強弱の使い分け)が実に個性的だ。間の取り方も随分変わっていて、2楽章の歌い回しも絶妙。ただ、終楽章だけは曲のパッセージなどが若干彼には似合わない気がする。

クリスティアン・ツィメルマン 小澤指揮ボストンso<87>DG 
 今ではすっかり職人のようなイメージが定着しているツィメルマンも、リストではちゃんとヴィルトゥオーゾしている。それでもまぁ冷静だが、最後など珍しく興奮気味になっていて少し驚く。あと3楽章のほんの短いカデンツの解釈が非常にユニーク。
ジョン・オグドン シルヴェストリ指揮
Bournemouth so.<67>BBC 
 冒頭から気合いたっぷりのライブで、オグドンの熱が伝わってくる。速いところはわりと思いきりも良く、それでも細かな配慮がなされており雑になることなく2楽章などわりとたっぷり歌っている。オグドンは現代作品や希少価値の高い作品をよく取りあげる積極的な演奏家だが、やはり彼の本領は感情たっぷりのロマン派だ。
アンドレ・ワッツ  バーンスタイン指揮ニューヨークpo<63>sony 
  ワッツ16才デビュー当時の録音だが、この時点で彼のリスト像ははっきり見えている。技巧は抜群だが1楽章のアテンポからのストリンジェンドをかなり遅いテンポから加速したり、終楽章も決して速さに任せず感心してしまう。一方、バーンスタインがリストを振ったのはこれのみという貴重さもある。

シモン・バレール  デヴィッド・ブロークマン指揮ニューヨークpo APR<46>  A☆
  カーネギーホールでのライブであるが、彼のライブにしてはまだおとなしい方かもしれない。前半から細かいパッセージだけはとにかく速く弾くことを徹底しているが、全体の速度は標準。笑えるのが3楽章以降でオケものっけから速いが、バレールのテンポ設定が結構めちゃくちゃで全然オケと合ってない。トライアングルは録音が古いせいもあってあまりよく聞こえないが、途中トライアングルだけの箇所でなぜか大太鼓らしきものが聞こえる所などかなり不可解だ。終楽章は案の定彼が暴\れ出しオケもたじたじ最後はとにかくフォルテ3つで華やかに終わっちゃえばいいさという感じの締め。あとちなみに暴れてるせいでミスも結構\多いのはご愛嬌、まぁ確実にB級でございます…笑。
アルフレッド・ブレンデル ギーレン指揮ウィーンso VOX<57> A☆ 
 のっけからテンポがめちゃくちゃ遅い!若い頃のブレンデルのある意味若げの至り的な録音だ。しかし録音の録り方的にはだいぶ響きが反響していてクリアな感じがなく、あまり良くない。テンポは3楽章になってもまだ遅いがさすがにフィナーレあたりでテンポがまともに戻ってくるが、あくまでアッチェレはなくここまで徹底されるとさすがに彼が当時表現したかったことも伝わってくる。
ピーター・ゴールドマン  ショルツ指揮フィルハーモニカ・スラヴォニカ<95>A+
  確かデアゴスティーニ・グレートコンポーザーのリストCDに入っていた録音だったと思うが、演奏しているゴールドマンの事は全く分からない。しかし演奏はわりと個性的で、テンポの緩急や雰囲気が独特で面白い。
ボリス・ベレゾフスキー ヒュー・ウルフ指揮フィルハーモニアo<94> A+

 

 それにしても余裕がありすぎる演奏だ。まるで指慣らしのようにも聞こえる。スピード感抜群なので、オケはついていくのに若干必死だ。4楽章Piu mossoの前にossiaが出てくる部分があるが、彼は「ossiaで速く弾いたって意味ねぇんだよ!」と言わんばかりに異常なスピードで弾いている。ちなみにここらへんからペダルの使用を少なめにして一気にたたみかけてくるが、彼の本性を知っていると特に驚くべき演奏ではない。


ゾルタン・コチシュ I・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭o PHILIPS<88> A+
 コチシュはハンガリー出身ということでやはりリストには思い入れがあるのだろう。あのひどいラフマニノフに比べたら随分良い演奏をしている。気合いもたっぷりなのでライブなどで聴くともっと迫力がありそうだ。
ミッシャ・レヴィツキ ロナルド指揮ロンドンso.<29>NAXOS 
 29年の録音にしてはかなり音質が良くて驚く。しかし演奏は全体的にあまり印象に残らない。所々おっ!と思うところもあるにはあるが、これがレヴィツキの本領とは思えない。
ギャリック・オールソン  モシェ・アツモン指揮ニューヨークpo<75>EMI    
 優秀な演奏ではあるがあまりこれといった特徴が無い。印象に残るのは終楽章最後の若干のたたみかけぐらいだろうか。
ミシェル・ベロフ  クルト・マズア指揮ゲヴァントハウスライプツィヒo<77>EMI  
  フランス人ピアニストにはあまりリストのイメージがないが、チッコリーニやコラールも結構リストを弾いているし、そういえばカツァリスもフランス人だった。そして、ベロフはなんとリストのコンチェルト形式の作品をたくさん録音している。これはその中の一つだが特に良いと言うわけではなく、簡単に言うと前半もっさり後半あっさりといった感じの演奏だ。

 

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