〜現代日本のクラシック音楽について〜

     現代日本においてクラシック音楽はどのような位置にあるのであろうか。色々な意見に別れると思うが、私はどうもクラシックは専門家のための音楽になりつつあるのではないかと感じている。いや、もはやそうなっているかもしれない…これはバロック時代への回帰のようにも思える。バロック時代ヘンデルやバッハが作曲したものはほとんど宮廷や教会のための曲であり、大衆の音楽とは言い難かった。しかし時代は移り変わり古典派からロマン派になるとピアノブームが起こり、どんどん大衆にクラシック音楽は広がっていった。日本においても戦後豊かになってくるにつれて、ずいぶん遅れてはいるがそういった現象は起こった。しかし今現在、時代は進み、大衆の趣味は多種多様になり音楽を求める人はもちろん多いが、あえてその中でクラシックを選ぶ人達は全体的に見るとほとんど少数であろう。なぜだろうか?300年間たっても残るような偉大な作曲家の音楽は素晴らしいはずなのに。しかし、素晴らしい事などみんな知っているはずだ。テレビでも有名な曲はよく流れるし、例えばモーツァルトの「アイネクライネ」や「トルコ行進曲」なんか知らない人はいないと思う(モーツァルトを知らないおばあちゃんでも「荒城の月」なら知っているだろう。なぜかクラシックのコンサートにはおばあちゃんが多いが…)。それなのに、なぜ敬遠されるのか…原因を少し考えてみた。

  まず、スター性のある日本人の音楽家が極端に少ない。最近のスターと言えば、ドキュメンタリーピアニスト(私はあえてこう呼ぶ。ファンの方ごめんなさい)のフジコヘミングぐらいだろうか。憶測だが彼女は、日本人ピアニストで一番稼いでいるのではないかと思う(かなりの遅咲きであるが…)。次に、クラシックは上品で難しいという偏見を持っている人達が非常に多く、確かにそういう曲もあるが下品で簡単な曲も多いのだ!…笑。何しろ他の音楽に比べて底が深すぎて面白さが尽きない。だから、少しでもその面白さを伝えたいと私はいつも思う。最近はオリジナリティあふれる楽しい企画の演奏会も多いが、専門家もそうでない人たちも両方が心から楽しめるようなものはなかなかない。それを可能にするには、やはり聴衆をあらゆる意味で把握しなければならないのだ。これは非常に難しいことであるが、日本の未来を担うピアニストたちが生涯をかけてでも努力しなければいけない、価値のある課題であるように思う。

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